ClaudeカスタムMCPが動かない原因と対処─2026年6月からのバグ
原因はお使いのMCPサーバーではなくClaude.ai本体側で、AnthropicのGitHubに同症状の報告(Issue #476ほか)が上がったまま、2026年7月7日時点で未解決です。
サーバー設定を疑って時間を使う前に、本記事の切り分け手順で確認を。急ぎで動かしたい場合は、同じMCPサーバーをClaude Code経由で使う方法があります。
私たちウェスタナは、自社のWordPressにブログ記事を下書き投稿するMCPサーバーを構築し、Claude.aiのプロジェクトから日常的に使っています。そのMCPが、ある日を境に突然動かなくなりました。設定画面ではコネクタは接続済み、ツールも表示され、権限は「常に許可」。それなのに、チャットでどれだけ指示しても、Claudeはツールを呼びに来ない。
サーバーのログを確認し、構成を見直し、最終的にたどり着いた結論は「自社のサーバーは何も悪くない」でした。同じ症状に悩んでいる方の時間を守るために、確認した事実と現時点の対処法をまとめます。
先にお伝えしておきます。この記事は、自分でMCPサーバーを構築している方、Claude Codeを日常的に触っている方に向けた内容です。その単語にあまり馴染みがなければ、ここから先は読み飛ばしていただいて構いません。ただ「AI導入を進めると、いつか”自分の設定ミスなのかサービス側の不具合なのか判断できない”時間に必ずぶつかる」——その一点だけ、頭の片隅に置いていただければと思います。

症状:設定画面では正常、チャットではツールが呼ばれない
今回の不具合には、はっきりした特徴があります。「壊れているように見えない」ことです。
- Claude.aiの設定画面で、カスタムコネクタは「接続済み」と表示される
- ツール一覧も正しく表示され、権限を「常に許可」にできる
- それなのに、チャットでツールを使うよう指示しても、Claudeは「そのツールにはアクセスできません」といった反応をするか、ツールの存在自体を認識しない
- サーバー側のアクセスログを見ると、tools/callのリクエストが一度も来ていない
私たちの環境は、FastMCPでStreamable HTTPのMCPサーバーを構築し、Claude.aiのカスタムコネクタとして登録している構成です。サーバー側のログでは、initializeへの応答が200、notifications/initializedが202、tools/listも200と、接続の手順(ハンドシェイク)は最後まで正常に完了していました。ツールの一覧はClaude側に確かに渡っている。それでも、会話の中でツールが呼ばれることはありませんでした。
この症状が出始めたのは2026年6月中旬です。それまで同じサーバー・同じ設定で問題なく動いていたものが、こちらは何も変えていないのに動かなくなりました。
切り分け:サーバー側に問題がないことを、どう確認したか
この種のトラブルで一番もったいないのは、正常に動いているサーバーを疑って構成をいじり続けることだと私たちは考えています。判断の目安はシンプルで、設定画面にツールが表示されているなら、サーバーは自分の仕事を終えているということです。ツール一覧はサーバーが返さない限り画面に出ないからです。
そのうえで、次の順に確認しました。同じ症状の方は、この手順をなぞれば自社サーバーの問題かどうかを短時間で切り分けられます。
手順1:サーバーのアクセスログで、どこまで通信が来ているかを見る
MCPサーバーのアクセスログを開き、Claude側からのリクエストを時系列で確認します。見るべきは3点です。initialize(接続開始)が200で返っているか。notifications/initialized(接続完了通知)が202で受理されているか。tools/list(ツール一覧の取得)が200で返っているか。この3つが揃っていれば、プロトコル上の接続は成立しています。
手順2:tools/callだけが来ていないことを確認する
チャットでツールを使う指示を出した直後のログに、tools/callのリクエストがあるかを見ます。今回の不具合では、ここが一切記録されません。接続は成立しているのに実行の要求だけが来ない──この形が確認できたら、原因はサーバーの外にあると判断してよい状況です。
手順3:別のクライアントから同じサーバーに接続してみる
決定打はこれです。同じMCPサーバーをClaude Code(ターミナルやデスクトップで動くAnthropicのエージェント型ツール)から接続すると、ツールは正常に読み込まれ、実行もできます。同じサーバー、同じエンドポイントで、クライアントによって結果が変わる。サーバー起因なら、こうはなりません。

原因:Claude.ai側の既知バグ(GitHub Issue #476ほか)
調べていくと、AnthropicがMCP関連の不具合報告を受け付けているGitHubリポジトリ「anthropics/claude-ai-mcp」に、私たちと同じ症状の報告が見つかりました。2026年6月21日に起票されたIssue #476です。
報告の要点はこうです。カスタムのリモートMCPコネクタが設定画面では接続済みでツールも表示されるのに、会話の中でモデルにツールが渡されない。サーバー側のログでは、Anthropicの中継サーバーが認証も接続手順もすべて成功させている。つまり障害はサーバーではなく、Claude.ai側の「ツールをモデルに渡す層」で起きている──という分析です。発生時期は2026年6月18日から20日頃とされており、私たちの環境で症状が出た時期とも一致します。
注目すべき点が2つあります。1つは、同じサーバーがChatGPTやClaude Codeでは正常に動くと報告されていること。もう1つは、この報告者はOAuth認証ありの構成で、私たちは認証なしの構成で、それぞれ同じ症状が出ていることです。認証方式に関係なく発生していると見てよさそうです。同リポジトリでは、同時期に発生したウェブ版限定のコネクタ不具合の報告が他にも複数(#470〜474)上がっています。
2026年7月7日時点で、Issue #476はオープンのまま(未解決)です。Anthropicからの修正完了のアナウンスも、私たちが確認した範囲では見つかっていません。
| 確認項目 | 今回の不具合での状態 |
|---|---|
| 設定画面の接続表示 | 「接続済み」・ツール一覧も表示される(正常に見える) |
| 接続手順(initialize等) | サーバーログ上すべて成功(200/202) |
| チャットでのツール実行 | tools/callが一切発生しない(不具合の核心) |
| 同じサーバーを別クライアントで | Claude Codeでは正常動作(Issue #476でも同様の報告) |
現時点の対処法:直せないが、回避はできる
先に正直に書くと、Claude.aiのウェブ版・アプリ版の中でこの不具合を確実に解消する方法は、現時点で見つけられていません。原因がユーザー側でなくClaude.ai本体側にある以上、私たちにできるのは回避と待機です。
やっても直らない(可能性が高い)こと
- コネクタの削除と再登録、再認証
- 新規チャットの作成、ブラウザやアプリの再起動
- ツールのdescription(説明文)やスキーマの書き直し
- サーバー側の構成変更(トランスポートや認証方式の変更)
これらはサーバー側や設定側の問題であれば有効な手ですが、今回はツールがモデルに渡される手前で止まっているため、根本の解決にはつながりません。私たちも一通り試したうえで、効果を確認できませんでした。
回避策:同じMCPサーバーをClaude Codeから使う
現実的な回避策は、Claude Codeです。Claude Codeは独自のMCPクライアントを持っており、Claude.aiのウェブ版とはツールの読み込みの仕組みが異なります。Issue #476の報告者も、同じサーバーがClaude Codeでは動作すると明記しており、私たちの環境でも同様でした。リモートMCPサーバーであれば、Claude Code側にHTTPトランスポートのMCPサーバーとして追加登録するだけで、同じエンドポイントをそのまま使えます。
Claude Codeは名前から「プログラマ専用の道具」と思われがちですが、実際には業務の自動化全般に使える存在です。位置づけや使いどころはClaude Codeとは何か─「プログラマの道具」と思っている経営者さまへで詳しく解説しています。
待機の目安:公式のIssueをウォッチする
修正時期の公式な見通しは出ていません。確実なのは、Issue #476の更新を追うことです。GitHubアカウントがあれば、Issueページ右側のSubscribeで更新通知を受け取れます。カスタムコネクタの仕様そのものはAnthropic公式ヘルプにまとまっており、復旧後の再確認にも使えます。

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この不具合に、私たちはサービス提供の準備段階で気づきました
この記事は、趣味の検証記録ではありません。私たちはこのMCPの仕組みを、お客様へ提供するサービスの中核として構築していました。
設計はこうです。お客様のClaude環境に、私たちが用意した「勝ち筋プロンプト」と自社のMCPサーバーを設置し、お客様自身が記事の生成から公開までを日々自走できるようにする。御社専用のAI集客エンジンを組み込むイメージです。そのエンジンの心臓部が、今回のMCP連携でした。
私たちは、こうした仕組みをお客様の環境に載せる前に、必ず自社環境で最後まで通しの検証を行います。今回もその検証の中で、この記事の症状にぶつかりました。設定画面には自作のツールが3つ並び、権限も「常に許可」になっている。それなのに、チャットではまるで存在しないかのように扱われ、「そのツールは私の関数一覧に存在しません」と返される。この段階で気づけたため、お客様の環境や運用に影響を出すことなく、原因の究明に集中できました。
ここからが、判断の分かれ目でした。認証の設定を疑い、サーバーの構成を変え、ライブラリのバージョンを一つ落とし──手を尽くすうちに、接続の手順(ハンドシェイク)だけは正常に通るようになりました。それでも、肝心の実行要求(tools/call)だけは、最後まで一度も届かない。
原因を確信できた根拠は2つあります。1つは、同じサーバーがClaude Codeからは問題なく動作したこと。もう1つは、以前から安定して動いていた別のMCPサーバーまで、同じ日に、同じ症状で停止したことです。こちらは構成に一切手を加えていないのに、2つが同時に、同じ壊れ方をした。ここまで揃えば、原因は自社の実装ではないと判断できます。行き着いた先が、GitHubのIssue #476と同じ現象でした。
そのため、このサービスの本番提供は慎重に進めています。サーバー側の実装は完成しており、Claude.aiが復旧すればそのまま動く状態を保ったまま、修正を見守っている段階です。動作が不安定なままお客様に渡すことはしない──この判断こそ、検証を前提にしている理由です。
私たちはAI実践3,800時間超の中で、関西の中小企業さま向けのAI導入支援を延べ550名超・240社超に行ってきました。その経験から言えるのは、AIツールで最も消耗するのは操作の難しさではなく、「自分の設定が原因なのか、サービス側の問題なのか判断できない」時間だということです。切り分けの型を持っておくだけで、その消耗は大きく減らせます。会社の概要や公的認定は当社についてをご覧ください。

よくある質問
設定画面にツールが表示されていれば、サーバー側の設定は正しいと考えていいですか?
おおむね、はい。ツール一覧はサーバーがtools/listに応答しない限り表示されないため、一覧が出ている時点で接続とツール定義は機能しています。念のためサーバーログでinitializeとtools/listが成功していることを確認できれば、切り分けとしては十分です。
コネクタの再接続や新規チャットで直りますか?
私たちの環境では改善しませんでした。今回の不具合はツールがモデルに渡される手前の層で起きているため、ユーザー側の操作で解消できる性質のものではないと見ています。
Notionなどディレクトリ掲載の公式コネクタも同じように動かなくなりますか?
Issue #476の報告では、公式(ディレクトリ掲載)のコネクタは正常に動作し、自作のカスタムコネクタだけがツールを渡されない、と区別されています。カスタムか公式かで挙動が分かれる点が、この不具合の特徴です。
Claude Codeなら本当に動きますか?
私たちの環境では、同じMCPサーバーがClaude Codeから正常に動作しました。Issue #476でも同様の報告があります。ただしClaude Codeの側にも別系統の不具合報告は存在するため、環境によって差が出る可能性は残ります。まず小さなツール呼び出しで動作確認することをおすすめします。
いつ修正されますか?
公式な見通しは示されていません(2026年7月7日時点)。該当のGitHub Issueが更新されれば状況が分かるため、急ぎの業務がMCPに依存している場合はIssueの通知を有効にしつつ、当面はClaude Code経由の運用に切り替えるのが現実的です。
まとめ
- Claude.aiのカスタムコネクタ(リモートMCP)で、設定は正常なのにチャットでツールが呼ばれない不具合が2026年6月中旬から続いている
- 原因はユーザーのサーバーではなくClaude.ai側で、GitHubのIssue #476ほか複数の報告が2026年7月7日時点で未解決のまま
- 切り分けは「ログで接続手順の成功を確認」「tools/callの不在を確認」「別クライアントで試す」の3手順
- ウェブ版の中で確実に直す方法はなく、当面はClaude Code経由で同じサーバーを動かすのが現実的な回避策
AIツールを業務に組み込むほど、この種の「サービス側の不具合」と付き合う場面は増えていきます。大事なのは、止まったときに原因を素早く切り分け、代替ルートを持っておくことです。その体制づくりも含めて、伴走が必要な場面があればご相談ください。
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